フォント・文字・日本語のあれこれ-3

漢字と表現について

 例えば「殺人」とか「犯罪」とかの文字はそれ自体がリアルに無い世界になれば不要な文字である。世の中の移り変わりで「万年筆」や「魔法瓶」などという言葉もわからない人たちが増えている。冷静に考えると不自然な表現ではあるが、できた当時はぴったりの表現だったのだろう。「三文小説」、「千両役者」等もわからなくなるかも。でも歌舞伎や能が無くなったわけではない。伝統芸能という形で少なからず応援する人たちがいる。だから不要になったり歴史上の説明にしか用いられない表現や、ものの漢字もそれを利用している人たちがいる限りは必要となる。先の「殺人」という言葉はどんな平和な世界がきても無くならないだろうな。「警察」や「軍隊」も無くならないだろうな。「戦争」があるから「平和」という言葉もできたんだ。人間の特質、性質とも言えるかも。